7月26日の大岡山での道場に、旭硝子(株)執行役員 平井良典氏、同エンジニアリングセンター 垂水めぐみ氏にお越しいただきました。平井執行役員から、省エネ性能の高い窓ガラス「エコガラス」、スマートフォンやタブレットPCのタッチパネル用カバーガラス等、新製品による市場開拓のお話に加え、材料メーカ-が新製品で市場を築く際の、地道な開発作業についてのお話がありました。学生からは、新製品開発に際して、技術シーズ主導なのかユーザーニーズ手動の開発なのか、等の質問がたくさん出されましたが、平井執行役員より、如何にユーザーの要望を取り込んでいくか、その重要性についてもお話がありました。平井執行役員は、東大物理工学専攻の博士課程ご出身です。研究者を目指していた博士課程学生が、どのような経緯で、企業への就職を志望し、旭硝子という企業を選定していったかに加え、入社後は、研究者としてスタートし、その後、関係会社の取締役、そして本社のマネージメントという経緯についてもお話がありました。また、ご同席いただいた垂水主席は、本学の修士課程のご出身ですが、社内では、技術者としての顔と「キャリアカウンセラー」という人事管理者としての顔もお持ちです。それもあって、話は、大学院での研究生活の意義、大学の研究活動がどのようにビジネスマンに役立っていくのか、企業のマネージメントの立場から大学院生、特に博士課程出身者に期待すること、等についても、学生と、平井執行役員・垂水主席との活発な意見交換ができました。
平井執行役員は、欧州での業務経験から、欧州では、博士号取得者が社会から尊敬を持たれており、大企業含め経営者の多くが博士号取得者でもあることを踏まえ、「企業は、専門性に加え、積極性・俯瞰力・コミュニケーション力・柔軟性などを含めた総合的な能力も重視しており、理系・文系というような垣根を自らつくらず、挑戦して欲しい」とエールもいただきました。
平井執行役員、垂水主席、貴重なお時間をありがとうございました。
尚、今回は、今期の「オープン道場」の最終回でしたが、人間力基礎を履修している修士1年の方も数名参加されました。