2015.04.23
H26年度山田道場WHAT'S GOING ON『~100万人から教わったウェブサービスの極意~デザイン思考でユーザーと寄り添いながらビジネスを作る』
2014年前期 山田道場WHAT'S GOING ON 『〜100万人から教わったウェブサービスの極意〜デザイン思考でユーザーと寄り添いながらビジネスを作る<Business creation by having close relation with users with Design Thinking - Tips of web servise taight by 1 milion of potential users>』Guest Speaker: 藤川真一 (株)想創社 代表取締役<Shinich Fujikaw, President & CEO, Sousousha. Inc.>
2014年4月18日の山田道場では、(株) 想創社取締役 藤川真一(えふしん)様をお迎えし、日本のTwitter文化の黎明期から、インターネットの現在、未来に至るまでじっくりとお話を伺いました。当日は、大岡山の主会場とすずかけ台をリモートで結び、AGL生に加え、オープン参加を含めて、24名の参加がありました。
藤川様は、日本でのTwitter黎明期に「モバツイ」というTwitterクライアントを開発されたことで有名です。現在では、スマートフォンを使ってだれでも生放送配信ができる「ツイキャス」のチーフアーキテクトや、無料ECサイト「BASE」のアドバイザーを務めるなど、日本のWeb業界をけん引する方の一人でもあります。
道場では、藤川様の経歴をお話いただいたあと、最近の話題として無料EC「BASE」のお話、モバツイの開発とデザイン思考の関わり、インターネットの今後のあるべき姿として「ビッグインターネット」と「スモールインターネット」というお話をしていただきました。
最近のWeb業界では、ECが注目を集めているそうです。ECといえば、Amazon、楽天、ヤフオフの御三家が支配しているイメージがあります。しかし、人々の使うデバイスがスマートフォン、タブレットへとシフトしていく中で、新たなシェアの取り合いが始まっています。そこに一石を投じたのが藤川さんもアドバイザーとして参加している「BASE (https://thebase.in)」です。Baseの最大の売りは出店料が無料である点です。BASEの打ち出した出店料無料という戦略の影響力は大きく、Yahoo! ショッピングも出店料無料に追従することとなりました。
大きな盛り上がりを見せているECですが、藤川様によると、今後はもっとローカルに密着したECが盛り上がりを見せるそうです。これまでは、注文した商品が早くても翌日に届くという形態が一般的でした。しかし、今後は野菜を注文すると、近所のスーパーから1時間で配達されるといったような、地元の店を巻き込んだECが生まれ、より便利になっていくようです。
さて、話はデザイン思考の話に進んでいきます。なにか良いWebサービスのアイデアを思いついた時、すぐにコードを書き始めたいと思うのがエンジニアです。しかし、一歩とどまって、ちょっと考えてみる、調査してみる、アーリーアダプターに提案してみるといったことを行い、失敗のリスクを減らすのがデザイン思考の基本コンセプトです。
藤川様のモバツイでは、毎日のようにユーザからのフィードバックがあり、「こんな機能を実装して欲しい」、「ここを改善して欲しい」といった要望が寄せられていたそうです。そのような要望に対して、「はい、できましたよ」と料理を出す感覚で新機能を提供していったそうです。ユーザ目線でアップデートを繰り返すうちに、モバツイは一時期、Twitterのタイムラインページからリンクされるまでに成長しました。
最後に、今後のインターネットのあるべき姿をお話いただきました。
現在は大規模なデータがインターネット上に存在し、それをみんなで共有し、必要な情報を探しだす「ビックインターネット」の時代だと言います。今後は、限られた身内だけで情報を共有し、必要な情報だけが手に入る「スモールインターネット」時代が来るそうです。
例えば、レストランの口コミサイトでは知らない人が書いたレビューよりは、お友達が書いたレビューのほうが信頼できます。藤川様はこのようなコンセプトのもと、身内だけに訪問したレストランの感想を公開できるサービス「ShopCard.me (http://www.shopcard.me/ja)」を公開されたりと、スモールインターネットの実現に向けて精力的に活動されています。先ほどのローカルに密着したECもスモールインターネットといえるかもしれません。
まとめとして、変化の早い社会で勝ち残っていくためには、スピード感が大事、バットを誰よりも先に振っておこうという言葉で道場が締めくくられました。
えふしんさん、ありがとうございました!
(文責:AGL2期生 石垣達也)