文部科学省博士課程教育リーディングプログラム事業による支援期間の終了に伴い、平成 30年度3月末に終了となったグローバルリーダー教育院のWEBページです。アーカイブとして残してあります。 グローバルリーダー教育課程は、今後も学内で継続されます。同課程に関する情報は、新 HP に随時アップされますので、(こちら)をご確認ください。
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文部科学省博士課程教育リーディングプログラム事業による支援期間の終了に伴い、平成 30年度3月末に終了となったグローバルリーダー教育院のWEBページです。アーカイブとして残してあります。 グローバルリーダー教育課程は、今後も学内で継続されます。同課程に関する情報は、新 HP に随時アップされますので、(こちら)をご確認ください。
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2016.01.04

H27年度後期山田道場WHAT'S GOING ON『Workshop; Jobs to be done IDEATHON with NEC - 1』<NECの若手スタッフとともに行うアイデア・ソン-1「消費者の生活;B to Cモデル」> (16/Oct/2015)

Facilitator: Naoto Nishiguchi; Executive Managing Director Japan Innovation Network
<一般社団法人Japan Innovation Network専務理事 西口 尚宏氏>
Mentors: Takashi Tsutsumi, Masato Iino; Learning Entrepreneurs Lab.
<ラーニング・アントレプレナーズ・ラボ 堤孝志氏、飯野将人氏>
Collaboration: NEC Corporation, <日本電気株式会社>

2015年10月16日金曜日、大岡山キャンパス南4号館422教室にて、「発想」をトレーニングするワークショップ『"Job to be done" Ideathon-1』を行ないました。今期は、このワークショップは、今回含めて2回予定していますが、本日は、消費者向け(B to C)製品を取り上げます。
Japan Innovation Networkの西口さん・山形さんのファシリテーションのもと、オープン参加者7名を含めた学生23名が参加し、NECからは11名の方に参加頂きました。"Jobs to be done" Ideathonは当道場において初の試みであり、次々と与えられる特定のテーマについて、多様性のあるメンバーで構成されたグループ内で対話をすることで、新たなアイデアの創出を短時間集中で行うイベントとなります。ここでベースとなる考え方が"Jobs to be done"であり、「どんなユーザー」が「どんな状況」において「どんな課題」を抱え、解決したいと思っているのかをできるだけ具体的に整理していくことで、ユーザーの困りごとの本質・切実な課題は何であるのかに迫ろうとする発想方法です。これは当道場で行っている「デザイン思考(自由発想)」や「未来洞察(強制発想)」とも通じるものがあり、今期初回のワークショップでありながら、今後にとってとても意義のある回となりました。

今回のテーマは、B to C分野として、一般消費者をターゲットとした『冷蔵庫をinnovateし、新たな価値を考える』。私たちの誰もが使っている冷蔵庫について、ユーザーが現状抱えていると思われる課題とその解決策について考えました。

ワークショップは、6-7人毎の計6チームに分かれて行われました。メンバー構成は、多様性を確保するために年齢・性別・国籍・専門、学生・社会人などで振り分けつつも、すべてのメンバーが同じ目線に立って発言できる対話の場作りがなされました。


今野01.jpgワーク①
まずはウォームアップとして、各自が普段持ち歩いているアイテムを3つ挙げ、それぞれが自分の課題解決にどう寄与しているのかを紹介し合いました。持ち物を紹介することで各メンバーの人となりが多少分かるなど、アイスブレイクも兼ねているようでした。

ワーク②
ここからがワークショップの本番です。まず各自が冷蔵庫の具体的なユーザーを設定し、彼らが抱える困りごとを10個以上考え、グループ内で共有しました。ここでのポイントは、他のメンバーが発表者に対して、「なぜ」そう考えるのかを5回以上繰り返すことで、その困りごとの本質は何か・真に切実な課題であるかを検討することにあります。

今野02.jpg   今野03.jpg   

ワーク③
次は、休む間もなく次々と出題される『○○な冷蔵庫』について各々アイデアを考え、②と同様にグループ内で共有しました。テーマは『3つ(6つ)のモノをつなげる冷蔵庫』、『デジタル化した冷蔵庫』、『可動式の冷蔵庫』、『料理をする冷蔵庫』、『ぶっ飛んだ使い道の冷蔵庫』など様々であり、こういったエクストリームな状況の下で強制的にアイデアを発想し続けることによって、"Jobs to be done"の考え方を刷り込んでいきます。

ワーク④
最後は、各自がこれまでのワークを総合して、『自分が考えるinnovativeな冷蔵庫』を考案し、発表しました。誰の課題に対してどうinnovativeであるのかを意識してアイデアを創造していきます。

今野04.jpg    今野05.jpg

以上のように、"Jobs to be done"による発想と対話を繰り返し行うことによって、ユーザーの切実な課題を見つけ出し、短時間集中で新たなアイデアを創出しました。
今回のワークショップにて、自分一人の発想では個人の経験や見聞に依存したアイデアになりがちなところ、他者の視点を取り入れることにより再び課題に立ち返り、より本質的な課題や新たな切り口からの課題の存在に気付くことができました。こういった気付きを短い時間で得られたことは、今後の道場活動のみならず、研究活動やチーム作業の場で必ず活きてくると思います。

最後になりますが、ワークショップをファシリテートいただいたJapan Innovation Networkの西口さん、山形さん、メンターとしてアドバイスいただいたラーニング・アントレプレナーズ・ラボの堤さん、飯野さん、そしてお忙しい中ご参加いただきましたNEC社員の皆様方、ありがとうございました。

次回は、B to B領域でのテーマだそうで、2/Novに行う予定です。

(文責:今野伊吹 AGL5期生(社会工学専攻))