文部科学省博士課程教育リーディングプログラム事業による支援期間の終了に伴い、平成 30年度3月末に終了となったグローバルリーダー教育院のWEBページです。アーカイブとして残してあります。 グローバルリーダー教育課程は、今後も学内で継続されます。同課程に関する情報は、新 HP に随時アップされますので、(こちら)をご確認ください。
AGL:グローバルリーダー教育院

文部科学省博士課程教育リーディングプログラム事業による支援期間の終了に伴い、平成 30年度3月末に終了となったグローバルリーダー教育院のWEBページです。アーカイブとして残してあります。 グローバルリーダー教育課程は、今後も学内で継続されます。同課程に関する情報は、新 HP に随時アップされますので、(こちら)をご確認ください。
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2018.05.16

H30年度山田道場WHAT'S GOING ON『WORKSHOP/Lean Launchpad -#1; 2 day camp;<事業創造実践ワークショップ:リーンローンチパッド第1回 合宿>

Facilitator;Takashi Tsutsumi/Masato Iino、 Learning Entrepreneur Lab。
<ファシリテーターズ:ラーニング・アントレプレナーズ・ラボ/堤孝志氏、飯野将人氏>
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今年度も、グローバルリーダー教育院(AGL)山田道場のメインメニューである「Lean Launchpad(LLP)」が始まりました。このワークショップは全6回行われ、ビジネスモデルキャンパスを用いたビジネスの可視化、顧客との対話を通じた仮説検証を繰り返し行い、アジャイルにビジネスモデル構築・変更を行い、「新たな価値を生み出し・設定する」というリーダーシップの基本機能の獲得を目指します。
AGL山田道場でのLLPは今年で7回目となりましたが、今年度は3つの例年にないチャレンジがありました。1つはサービス案・チーム編成が決まった状態で合宿に臨んでいる点です。LLPに参加する学生は事前にアイデア構想、チームメンバー集めを行い、ファシリテーターである堤さん、飯野さんへミニピッチをする工程を既に経ていました。これを経て認められた学生4チームが今回のLLPに参加することになりました。2つめは、タイからの留学生(学部生)のみ4名で挑戦しているチームがあること。そして、3つめは、社会人チームの参加です。(株)ウェザーニュースから2つの社会人チームが今回のLLPに参加しています。

初回は4月21日(土)から2日間の合宿形式でのスタートとなりました。

<<1日目>>
・ チーム毎のビジネスアイデア紹介
合宿の皮切りとして、今回参加する6チームごとにLLPで検討していきたいサービス案のプレゼンを行いました。学生側4チームは銭湯や学生生活といった身近な環境から日本でのクリエイターの支援不足といった社会問題といった事柄から発想したビジネス案を発表しました。社会人チームは自社で実際に進行しようとしている新規プロジェクトを活かしたアイデア案を出しました。
学生チームは既にサービス検討をしていることもあり、詳細なサービス案の検討や、想定顧客に対するインタビューを、始めているチームもありました。社会人チームは実際のプロジェクトからの発案ということもあり、より実務的な想定や具体的課題を挙げていました。各チームのメンバーと事業アイデア概要は下記の通りです。

・ BathRepablic:日高、松尾、大川、足達
銭湯での番付タオルによる高齢者コミュニティ形成サービス
・ T2pay:松浦、長島、矢島、
若手クリエーター支援の為の投げ銭サービスサイト
・ Ume:Kraiwuttianant、Suttijaree、Chaijirawiwat、Nithiuthai
海外留学生向け、家具・電化製品の中古品販売・宅配サービス
・ SERENDIPITY:富屋、小山、杜、中村
・ 東工大生に向けた情報発信サービスTEAM TUG:駒、長井、武井、鍋田
海運会社(船舶責任者)向け、気象情報を活用したタグボート派遣判断条件解析サービス
・ TEAM Logistics:和田、大澤、栢野、望月、折野
運送手段手配者(運送会社)向け、輸送手段とその輸送ルートの最適化サービス

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1. Lean Startupの概念講義とチーム案の顧客想定
午後前半はビジネスモデルを洗練していくために必要な概念について講義が行われました。その商品を買ってくれる「切実なニーズ」を持った想定顧客(Early adopter)や顧客の検証を効率よく最小限の消費で行うためにビジネス案の必要最低限でかつ本質を抑えたMVP(Minimal Viable Product)を考える必要性といった重要な概念を学びました。その後学んだ知識を活かし、自分たちのチームのサービス案について想定顧客の「切実な悩み」を解決するか、 顧客・提供価値の明確化を行いました。「価値顧客シート」には、顧客の抱える悩みや実現したい事柄(Job to be done)を記載し、製品の提供する価値が顧客の抱える悩みを解決するか検証しました。

2. Business Model Canvasと初期仮説の構想
午後後半はBusiness Model Canvasを使って、ビジネスモデルを可視化する方法を学びました。ビジネスモデルキャンパスには、想定顧客は誰であるか(Customer Segment)、顧客に提供する価値はなにか(Value Proposition)、どのように収益を得るか、コスト構造はどうかなどを記載します。その後先ほど作成した「価値顧客シート」やMVPの考えに則り自分たちのビジネスアイデアをビジネスモデルキャンパスに落とし込む作業を行いました。

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1日目の最後に2日目の朝までに各チームのビジネスモデルキャンバスの初案を完成させることが宿題としてアナウンスされ1日目は終了しました。
夕食などでの交流も挟みながら各チームの作業は夜まで行われました。

<<合宿2日目>>
1. ビジネスモデルキャンバスの初案発表
2日目午前は、各チームが作成したBusiness Model Canvasや価値顧客シートを発表し、それに対してファシリテーターや他チームの参加者との議論が行われました。
想定している顧客は本当に切実なニーズを持っているのか?
現状対策で顧客は満足しているのではないか? 
このサービスを欲している顧客にはこのような傾向があるのではないか?
といった、積極的な提案や質問が出ました。こうして、チームメンバー以外の人から意見をもらうこともビジネスモデルのブラッシュアップに重要です。

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2. インタビューの実践練習
LLPにおいては、構想しBusiness Model Canvasによって具体化させたビジネスモデルに対して想定した顧客に対するインタビューを行います。そして得られた知見を基にビジネスモデルを洗練していくことになります。
2日目の午後は、今後それぞれのチームが自らのビジネスモデルを検証・改善していく為のインタビュー手法を、実習を交えながら学びました。想定していた顧客の切実なニーズをコンスタントに聞いていく重要性と具体的手法を学ぶことができました。


2日間の合宿で、ビジネスアイデアがビジネスモデルキャンパスに落とし込まれ、顧客価値シートによって想定顧客と彼らが抱える悩みが明確になりました。また学生と社会人が共に行う合宿の中で多様な意見が飛び交い、得ることの多い合宿となりました。

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合宿の最後には、想定顧客に対してインタビューを敢行し、フィードバックをもらうという宿題が出され、密度の濃い合宿が締めくくられました。今後のワークショップでは、顧客との対話をもとに、さらなるビジネスモデルの改善を行います。各チームがどのような顧客インタビューを行い、ビジネスモデルを洗練させてくるのか、とても楽しみです。

ファシリテーターの飯野さん、堤さん、貴重なアドバイスをありがとうございました。
(文責・長島匠 AGL6期生 東京工業大学融合理工学系地球環境共創コース)